小林千幌あらため、小林亨(とおる)です。
最近「ひそかな縄文ブーム」だの「土偶女子ブーム」だの言われて取材を受けることもあるんですが、 どうも疑わしいんですよねー。
ワタシの感覚だと、縄文ZINEが人気なだけで、縄文自体が流行っているわけではないと思うんですよ。
あれ・・・ひょっとして、本当はスッゲー流行ってるんだけど、うちらだけ世間に無視されてる!?
まあ、確かにヤミラがいないと、我々、考古学素人非モテ縄文おじさんの集まりですからね・・・。 おしゃれなサイトでもないし・・・。
と、卑屈になったところで、気持ちを切り替えて、実際に縄文ブームきてんの? というのを「アジア最大級のアートイベント・デザインフェスタvol.45」で検証してみることにしました。http://designfesta.com/
なんたって、アジア最大ですから!
ブームが来ているなら、縄文をモチーフにした作家さんがあっちにもこっちにいるはず!
我々は早速、開催地のビックサイトへ向かいました。
とにかくたくさんの人・人・人・・・。
デザフェスのサイトによると、出展者が8500
未来を切り開く・・・
入場から、数十分後たったものの、縄文、なかなか見つかりません。
と、ここで「磨製石器」の文字が
磨製石器といえば、縄文時代ではポピュラーな道具です。
これは期待できそう・・・!
小林:すいません。これ、黒曜石ですかね?
輝石工房・北林さん(以下北林氏):いえ、これはセキエイという石で作っています。
小林:刃物としての実用性はあるんでしょうか・・・?
北林氏:これは守り刀といって、実用性はありませんが、未来を!切り開く!象徴として!身につけていただくものです。(胸の前をななめに切りつけるポーズをとる北林氏)
小林:未来・・・ですか。
北林さんの目下の悩みは粗悪品を作るコピー作家が増えたことだそうです。作家としての認知度が上がるとコピー作家が増えるのは、どの手作り作家も悩ましいところかと思います。
お守りのストーンナイフがご入用の方は是非、本家の輝石工房さんでお求めください。
輝石工房
seireiseki-no-hakoniwa.amebaownd.com
縄文度★☆☆☆☆
スピリチュアル度★★★★★
ハンター兼作家さん?
輝石工房のブースを後にして、しばらく歩き回っていると、見事にカービングされた鹿の頭骨が見えてきました。骨ジャンルはデザフェスでは割とポピュラーですが、ゴスっぽい雰囲気はなく、可愛らしい印象の作品がならんでいます。これはちょっと気になる・・・。
小林:すみません、お話、聞かせていただけますか。
deer bone "hai"岡本さん(以下岡本さん):はい、わたしはあのう、ハンターをやってまして
小林:ハンター!
岡本さん:自分で山へ行って鹿のお肉を獲ってます。
小林:わたし、鹿肉、大好物です。
岡本さん:で、お肉は当然、大切にいただくんですが、骨を捨てるのが勿体ないなって。
それで、骨を使ったアクセサリーを作っているんです。
小林:わたしらは縄文時代をテーマにしたホームページをやってまして、骨角器というの、ご存知ですか、骨や角で釣り針なんかを作っていたんですが。
岡本さん:詳しくはないですが、すっごく興味あります。そういえば、わたし「角偶」つくっている人、知り合いですよ。
小林:え・・・ひょっとして三重でカフェやってる方ですか?
岡本さん:そう!その人!
小林:直接知り合いという訳じゃないんですが、前からチェックしてたんですよ。すごい・・・世間が狭い。
いわゆる「狩猟女子」の岡本さん。骨まで無駄にしたくないという精神は縄文人の心そのものだと感じました。
deer bone "hai"
縄文度★★★☆☆
かわいらしさ★★★★★
ご本人の縄文度★★★★★
とにかく広い会場
その後しばらく歩き回ったものの、縄文は見つからず。
デザフェス出展作品の傾向としては
- 動物・生き物モチーフ
- ゴス
- 美少女
- 日常の生活品モチーフ
- アイデアグッズ
が多い様に見受けられました。
もうそろそろしんどくなってきたので、知り合いのとこ行くか・・・。
ろまんと縄文
という訳で、ろまん研究所、松本ジュンイチローさんのブースへ来ました。
松本さんは昨年、黒ひげ危機一髪を土偶に改造した「土偶危機一髪!」で話題になった方です。
小林:どうもどうも、お疲れ様です。
松本さん:あーどうも。おつかれさまです。
同じブースにいた女性:お二人はどういったお知り合いなんですか?
小林:土偶仲間です。
松本さん:え・・・仲間・・・なんですか?
小林:え・・・?違うんですか
松本さん:仲間というのはちょっと・・・。
小林:えっ、あ、なんかすいません。
一緒に展示したり、石器作って鹿肉食べたりしたじゃない・・・。
まだ、心を開いてもらえてなかったんですね・・・。
小林:売れ行き、どうですか
松本:土器ブローチがたくさん出てますね。なんか買ってくださいよ。
小林:じゃあ、水煙土器ブローチ、もらおうかな
小林:ほかに縄文の出展者いました?
松本:いや、見てないっすね・・・。あ、土偶手ぬぐい作っている人、いましたよ。
小林:ウン・・・知ってる・・・。知り合いだから。
ろまん研究所
縄文度★★★★★
ギリジン度★★★★★
松本さんは只今、ゆるがしこい節約メディア 「ゆるぢえさん」にて「縄文ハック」シリーズを連載中です。縄文的には要チェックです!
http://yurudie.com/author/matsumoto
わらわら
続いては豆猫梅兎の消しゴムハンコ作家、うめちゅさんです。
小林:どもー。
うめちゅ:あーどうもー!
小林:売れ行き、どうですか土偶のほうの
うめちゅ:まあ、ぼちぼちかなー、そういえば、さっき松本さんと会いましたよ
小林:ええ、さっきブース行ってきました
小林:他に縄文やってる人、いました?
うめちゅ:松本さん以外でだよね?うーん見なかったなー。
そもそも縄文だけで出展しても売れないんじゃないの?
小林:そういうもんですかねえ。
うめちゅ:博フェスならいいのかもしれないけど、デザフェスは動物ださないとだめよ。
小林:動物かー、確かに多かったです。
うめちゅ:今年はキツネが流行ってるわね。
小林:その年のブームとかあるんですかね、やっぱり。
うめちゅ:多少はあると思うなあ。とにかく、縄文だけじゃダメ
小林:やっぱ縄文ってマイノリティなんですね・・・。
豆猫梅兎・うめちゅ
ブースの縄文割合★☆☆☆☆
土偶てぬぐいの可愛さ★★★★★
うめちゅさんのグッズはminneでお買い求めいただけます
https://minne.com/@umetyu3
結論
4件しか紹介(内、身内2件)できませんでしたが、実際相当歩き回りました。
それでもほとんど縄文テーマの作家がいないということは
「縄文ブームそれほどでもなくね?」
いやーよかった。うちらだけ無視されてるんじゃなかった・・・ん・・・dあ・・・。
無論、デザフェスにおいては、の話ですが。
しかし我々がチェックしきれなかったところで
デザフェスにて、土偶モチーフにシンパシーを感じて購入。 pic.twitter.com/RVjWXfcoMz
— 松本ジュンイチロー (@matsumosan_san) 2017年5月29日
ハート形土偶絵葉書があったり
デザインフェスタで見つけて大興奮したセルクナム族フィギュア
「ハイン」を読んでセルクナム族グッズ欲がムクムクと湧き上がっていたところに奇跡が。ポージングも塗りも完璧でちゃんとチンコもついている素晴らしさ。興奮して作家さんになぜか縄文アピールをしてまた胸いっぱいになってしまった。 pic.twitter.com/QbzSFBCW2b— やる気ゼロリーマン (@ponka2) 2017年5月28日
縄文とは直接関係ありませんが、縄文人のDNAをうけついだ狩猟採取民族「セルクナム族」のフィギュアがあったりしたようです。
ブームとまでは行かないまでも、認知度は我々が活動を始めた5年前よりだいぶ上がったような気がしますね。
本物の縄文ブーム、いつか来るんでしょうか。
現場からは以上です。
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